ペットの健康コラム
犬に野菜は必要?愛犬の体によい野菜と与え方
- ペットのお悩み相談
- 2021/06/15
犬に野菜は消化できないため、与える必要はないと聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、実際は犬にも場合によっては、野菜は重要な栄養源であり不必要と言い切ることはできません。
今回は、犬にとって野菜が必要なのはどんな場合なのか、また与えてもいい野菜と与えてはいけない野菜をご紹介します。
〜目次〜
犬は野菜を食べる必要がある?
基本的に犬は栄養バランスのよいドッグフードを食べていれば、野菜を食べる必要はありません。一方で手づくりご飯の場合は野菜を与えないと食物繊維が必要となりますし、安価なドッグフードの中には野菜が不足しているものも数多くあります。
犬にとって最も重要な栄養素は「タンパク質」。タンパク質をしっかりと摂取するため、肉食よりの食事が必要となります。しかし、肉や魚のタンパク質だけでは、食物繊維や必要な栄養素を摂取できません。
犬は腸が短く食物繊維を消化するのが苦手という側面もあるので、刻んで与えるなどの消化対策を施すようにしましょう。
野菜が与える愛犬へのよい影響とは?
犬が野菜を食べるどのようなよい影響があるのでしょうか?主なポイントをご紹介します。
腸内環境を整える
適切な量の食物繊維は、犬の腸内環境を整えます。
食物繊維は消化率が低いため、大腸内で「便」となり、腸壁を刺激し排便を促すのです。適切な量の食物繊維は、小腸内の腸内細菌のバランスを保つのにも効果的。
少量の食物繊維は、犬の腸内環境にとって良い影響を与えます。
ダイエットに効果的
食物繊維は、犬のダイエットに効果的です。
食物繊維は消化されにくいため、胃腸内での滞留時間が長くなります。いわゆる、腹持ちがいい状態です。適切な量の食物繊維を摂取させることで、犬のフードやご飯の食べ過ぎを防げます。
犬におすすめの野菜とは?
犬にはどの野菜を与えるのがいいのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
キャベツ
キャベツは水分量が多く、ミネラルや食物繊維が豊富なため、便秘予防に効果的です。
歯触りが良いため生キャベツを食べたがる犬がいますが、消化不良を起こす危険性があるので注意が必要です。一度さっと茹でで、細かく刻むことで犬の消化器官への負担を減らせます。
与えるときは、1~2枚のみ少量に留めましょう。
また、キャベツはアブラナ科の野菜なので、甲状腺に影響を及ぼします。甲状腺の病気を持っている犬には与えないようにしましょう。
ブロッコリー
ブロッコリーの芯の部分は食物繊維が大量に含まれているため、房の部分をゆでて与えましょう。
犬は咀嚼が苦手なので、房の部分を与える際も必ず細かく刻むことをおすすめします。
ブロッコリーはアブラナ科の野菜なので、キャベツ同様、甲状腺の病気を持っている犬には与えないようにしましょう。分量は1~2房の少量に留めてください。
にんじん
にんじんには、ベータカロテンやカリウム、カルシウムなどのミネラルも含まれています。甘味があるので、犬が好んで食べる野菜です。
しかしにんじんは、繊維質が非常に多く、硬い野菜なので生のまま与えるのは止めましょう。消化不良を起こしたり、丸呑みして喉につまらせる危険性があるからです。
人参を与える際は、しっかりと茹でで細かく刻む・すりおろすなどして与えるようにしましょう。
1本全て与えると多すぎるので、3分の1~半分程度を与えるのがおすすめです。
トマト
トマトの約90%は水分でできており、夏バテや熱中症予防に効果的です。
葉や茎、未成熟な青いトマトには、トマチンという毒性の成分が含まれるため、必ず完熟トマトを与えましょう。また、トマトの皮は繊維質で消化しにくいため、皮を剥いて与えるのがおすすめです。
4分の1~半分程度を細かく刻んで与えてください。
きゅうり
きゅうりは約95%が水分でできており身体を冷やす効果もあるため、トマト同様、夏バテや熱中症予防に効果的です。
きゅうりは低カロリーなので、ダイエット中の犬におすすめです。皮は消化があまりよくないので、皮を剥いて与えると良いでしょう。
歯ざわりが良いため、たくさん食べたがりますが、与えすぎは消化不良の原因になります。3分の1~半分程度に留めましょう。
かぼちゃ
かぼちゃは甘味が強く、犬が好む野菜です。
かぼちゃは食物繊維が豊富なので、一度にたくさん与えると消化不良を起こす危険性があります。大量の食物繊維摂取は、便秘に繋がるため注意が必要です。
しっかりと茹でで、細かく刻んだりすりおろして与えるようにしましょう。かぼちゃはカロリーが高い野菜なので、手のひらに乗る程度の分量に留めててください。
犬に与えてはいけない野菜とは?
犬には絶対に与えてはいけない野菜があるので注意が必要です。
ネギ類
ネギ類には「アリルプロピルジスルファイド」という物質が含まれており、これは犬の赤血球を破壊し中毒を引き起こします。貧血を起こしたり、赤血球が壊れることで酸素が全身の酸素が足りず呼吸困難に陥る可能性も。
アリルプロピルジスルファイドは加熱処理しても消えないので、ネギ類は絶対に犬に与えてはいけません。
いたずらで食べてしまうことがあるので、ネギ類は犬の手が届かない場所に保管しましょう。
ニラ
ニラも「アリルプロピルジスルファイド」という物質が含まれており、中毒を引き起こします。
下痢・嘔吐・血尿・痙攣を引き起こす原因になるので、ニラは犬に与えないでください。
ニラを普通の草だと思って食べてしまう犬もいるので、犬の手が届かいない場所での保管をおすすめします。
アボカド
アボカドに含まれる「ペルジン」という成分は、中毒性があり下痢や嘔吐を引き起こします。
ペルジンの含有量はアボカドの品質によって異なるため、全てのアボカドが中毒を引き起こすわけではありません。
しかし、わずか少量のペルジンで中毒を起こす犬もいるので、犬にはアボカドを与えない方が良いでしょう。
犬に野菜を与えるときの注意点
犬に野菜を与えるときには、どんなことに注意すればいいのでしょうか。とくに注意すべきポイントをご紹介します。
与えるときは食事の10~20%以内の分量にする
犬に野菜を与えるときは、食事やフードの10~20%以内の分量に留めましょう。犬にとって一番必要な栄養素は、肉や魚に含まれる「タンパク質」です。
野菜を多く与え、タンパク質量を減らすことは犬の栄養バランスが良くありません。
大量に野菜を与えると、消化不良を起こし便秘の原因になります。犬に野菜を与える際は、10~20%以内の分量に留め、効果的に与えましょう。
与えるときは胃腸に負担がかからないようにする
犬に野菜を与えるときは、胃腸に負担がかからないよう工夫が必要です。
野菜をそのまま与えると、消化不良を引き起こし、嘔吐下痢の原因になります。野菜を与える際は、茹でる・刻む・すりおろすなど、犬の消化を助ける処理を施してあげましょう。
犬にとって必要な野菜を与えよう
犬に野菜を与える際は、注意が必要です。
適量を守り、適切に与えることで愛犬の食生活の質を改善できます。
愛犬の健康のためにも、必要な野菜を適切に与えましょう。